国内線、国際線を問わず、現在様々な種類の航空券が販売されています。ここで、東京−札幌間の片道航空券を一例にみてみると、いわゆる定価販売である普通運賃なら\28,700(H17.10現在、以下同様)します。ところが、ANAの特割7やJALの特便割引7というタイプの航空券の最も安い料金の設定便の利用なら\16,700で購入することができ、その差額は片道だけで\12,000もあることになります。
では、この料金の差はどこから生まれているのでしょうか。答えは、それぞれの航空券の利用条件の違いにあります。前述の例の場合、安い方の航空券には、@搭乗日の7日前までに予約・購入を済ませなければならない、A予約変更ができない、B利用できる便、座席数が限られているなどの利用制限が設けられているのです。これにより、航空会社にとっては正規運賃よりも割安に航空券を提供したとしても、早めに航空券を予約・購入してもらうことで一番困る売れ残りのリスクを避けることができるメリットがあるわけです。すわわち、一般的には早い購入期限が設定され、予約変更などの制限が厳しい航空券ほど安い運賃で販売されることになります。
一方、利用者側からみると安い航空券は大変魅力的ですが、都合により予定を変更しなければならなくなった場合には非常に面倒なことになります。つまり、制限付きの安い航空券は予約変更ができない場合が多いため、購入した航空券を一度キャンセルして払い戻し、新たな航空券の予約・購入をしなければなりません。結果として、キャンセル航空券の払い戻しには取消手数料が請求されますし、新たな航空券の手配に関しても、混雑期の場合には希望の日時の便が手配できない可能性もあるのです。
したがって、航空券の種類とその料金、利用条件などの違いをよく知って、自分の旅に一番ふさわしい航空券を上手に利用することがとても大切です。購入した格安な航空券に合わせて、自由に仕事を休むことができるような人でない限り、このことを忘れてはいけません。特に仕事が忙しくて、寸前まで出発の予定が分からないような人は要注意です。リスクを十分考えずに、料金の安さだけにとらわれて航空券を購入すると結局損することもありますので、「安いものには安い理由がある」という認識での手配をおススメします。
海外航空券へ 国内線航空券へ
海外旅行で航空券だけを個人で手配する場合、いわゆる“定価”の普通航空券を正規料金で購入する場合を除き、PEX航空券または格安航空券のいずれかを購入することになります。
PEX航空券とは、航空会社が正規に設定する割引航空券であり、一般的に早期の購入期限や予約後72時間以内の発券などを条件に普通料金に比べて大幅な割引料金を設定している航空券です。国内航空券でいうANAの「特割」やJALの「早割」などの割引航空券に相当します。割引航空券を売るということは、航空会社にとっては収益を目減りさせることになるのですが、一方で早期に航空券を購入をさせることで、直前まで座席が売れ残り空席のまま飛行機を飛ばすという“収益ゼロ”のリスクを避けられるメリットがあるわけです。
一方、格安航空券とは、航空会社がいわゆる「団体用」として旅行会社にある割合の座席分の航空券を分配し、それを旅行会社が個人向けにバラで販売している航空券です。これもPEX航空券と同様に航空会社にとっては、ある程度まとまった数の座席を旅行会社に売ることで、旅行会社に売った航空券が全席完売していもしなくても、所定の売上を確実に得ることができるメリットがあります。一方、旅行会社にとっても正規よりも割安に航空券を確保することができるため、お買い得なパッケージ商品を販売したり、格安航空券としてバラ売りすることで利益を上げているわけです。
PEX航空券や格安航空券の一般的な流通事情は上述の通りですが、我々利用者にとっての両者の使い勝手は大きく異なります。正しく価格設定の仕組みの違いのみならず、利用制限やマイレージ加算などの特徴を理解して上手に使い分ける必要があります。下表にそれぞれの一般的な特徴を簡単にまとめてみましたので参考にして下さい。
普通航空券 | PEX航空券 | 格安航空券 | |
---|---|---|---|
販売場所 | 航空会社、旅行代理店 | 航空会社、旅行代理店 | 旅行代理店 |
価 格 | すべての航空会社において統一された料金(政府認可)で、驚くほど高い。 | 各航空会社が独自に設定。普通運賃に比べてかなり割引きになる。 早期の購入であればあるほど安いとされる。 航空会社、あるいは旅行代理店のどこで買っても同じ価格。 |
各代理店が独自に設定。一般に通常期においては最も安い航空券 出発直前に安い料金が飛び出すことがある。 旅行代理店によって、販売価格が異なる。 |
発券期限 | ----- | 原則、予約後72時間以内 | 一般に出発1週間前 (但し、早期発券期限付きのものもある) |
マイル加算 | 100% | 一般に70% (但し、米系などでは100%も) |
一般に50% (但し、加算されない場合もある) |
予約時 | 利用便確定 座席リクエスト可 |
利用便確定 座席リクエスト可 |
利用便は未定が多い 座席リクエストは一般に不可 |
子供料金 | 設定あり | 設定あり (一部例外あり) |
設定なし (一部例外あり) |
変更・取り消し | 予約便の変更、キャンセルなどは自由にできる。 | 航空会社の規定による。 条件により、予約内容の変更は可能。 発券後、すぐにキャンセル料が発生。ただし、手数料はキャンセル時期によらず一定で数万円〜50%程度が多い。 |
旅行代理店の規定による。 変更不可の場合が多い。 ピーク時期、早期発券期限付きの航空券以外は、30日前まではキャンセル料なし。 ただし、直前、当日のキャンセルならば最大100%も。 |
一般に料金比較だけを比較するとPEX航空券よりも格安航空券の方がより安いので、とにかく安く航空券を手に入れたい場合は、格安航空券を探すことになります。特に、出発1ヶ月を切った間際などにビックリするような価格の出発日限定の航空券などが出回りますので、航空券に合わせて休みが取れるような場合には一番です。しかしながら、格安航空券には以下のような場面に遭遇するリスクがありますので、実際の購入に際しては料金の安さだけでなく、その格安航空券の利用上の制限をよく理解してからの購入を勧めます。
・「出発直前に安い航空券を見つけたが売れ切れで、結局席がとれず旅行自体を諦めた。」
・「出発直前まで利用航空会社・利用便名が分からないので予定が立てにくい。」
・「事前の座席リクエストができず、せっかくの家族旅行で席がバラバラだった。」
・「余分に休みがとれ帰国を延ばしたいが、航空券の変更ができなかった。」
・「急用で止むを得ず出発当日にキャンセルしたら、取消し手数料が100%だった。」
即ち、休みの都合などで確実に早い時期に航空券を購入したい場合や、到着後の旅程を組むために利用便や現地到着時間を確定したい場合には格安航空券は不向きですので、その分多少料金が割高になってもPEX航空券などの購入を検討するべきだと思います。
その他の留意点としては、発売開始の時期の違いがあります。PEX航空券の場合は、通常300日前くらいから購入することができます。日系のANA、JALでも、PEX航空券の割引運賃の正式発表は、年に2回(2月頃に4月〜9月の運賃、8月頃に10月〜翌3月の運賃)となっていますが、料金発表前でも事前予約が同じくらいの時期からできます。これはすなわち、ゴールデンウィークや夏休み、年末年始などのピーク時期の航空券の手配がかなり早い時期から可能であることを意味します。 一方、格安航空券は、年に2回の正規のPEX航空券の料金が発表になってから、半年分ずつ発売されるのが一般的です。この結果、ゴールデンウィークや夏休みは2月以降、年末年始は8月以降にならないと料金どころか、航空券そのものが出回らないことを意味します。これではいくら一番安い料金が魅力でも、ピーク時期の旅行の計画を立てるには出遅れとなってしまう危険性があります。
特に、”どうしてもこの年のこの時期に行きたい”という日程優先の旅を計画するケースでは、格安航空券に期待を掛けるのはかなり危険と言えます。座席数の面でも手配が遅ければ遅いほど満席となり席を確保できない可能性も高くなりますので、手配時期と購入価格の見極めはとても重要です。
管理人がおススメするオーソドックスな選択基準は以下となるように思います。ただし、一人旅の場合や、大人数のグループ旅行、あるいはマイル獲得にこだわるなど、それぞれの事情により当然方針は異なるかと思いますので、あくまで個人的な参考意見です。
鉄則1 | ピーク期はPEX航空券を 早めに確保することが基本 |
---|---|
時期的に格安との料金差も少なく、早期購入ができるので安心。旅の計画も建てやすい。 |
鉄則2 | オフ期は格安航空券にこだわり、 キャンセル料発生期限までチェック |
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早めに1つ予約してキャンセル料が発生する前に最終チェック。更に安いのがでたら乗り換えよう! |
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